「その子の名はフェイク」

 
ラスト目前とあって謎となっていた部分は大体明かされたかな。
やはりフェイク≒フルートだったということで。
たまたま託された幼子に自分の記憶を移植したバイオチップを埋めこむという
フルート博士の所業は、ハディムの暴走を止めるためという大義名分からのみの
行動ではなく、やはりクーラを失った私怨がバックにあってこそという気がする
「神ではなく、この子に許しを乞わなければ」という言葉からは、それも
含めて自分のやってることがどういうことか自覚してたんではないかな。
タイトルにもなっているレモンの木が、化学兵器によって汚染されていて、
その実を食ったせいでクーラが病身に、という説明は聞くからにムチャやなあと。
他にも判明したこと、確認がとれたことというと
・ゼノン市以外に人類は生き残ってない可能性が高い(ハディムはそう思っている)
・PX-1は元々医療目的
・ハディムは市民にる暴動の危険に備え、バイオチップの技術を利用しようとした
・クーラはやっぱ事故死
などなど。あとは、もう一つのタイトル要素である「バストフ」を連呼してる
じいさんとプリンの髪型がなぜ同じなのか?という謎がわかればいいです。
各キャラ大活躍、というよりドタバタやってるだけのような気もするが、
妙なディフォルメも絶好調で、グラサンエージェントから四つんばいで
逃げるフェイクとか、相変わらずの崩し顔でしまいに鼻水たらしてるミントとか、
周りのカップルを見て色気づいてるおませさんなプリンとか、これぞレモンって感じで
悪くない。デュープも久々活躍してくれたし、ティエルがロボットかどうか
確かめようと髪の毛引っ張ったりしてヘスティアに怒られるモラート、も良い。
フェイクの首筋でバイオチっプが光るの見ただけで「フルートか!」とキレはじめる
ハディムとか、なんだかな、な個所も散見されるがそれもまたレモンらしさか。
 
バイオアンドロイドってのは人間より遅い速度だが成長はするらしい、ということで
デュープは「喜ぶべきなのか微妙なのだ」と言ってたが、恋人が年取る速度が遅いと
いうのはやっぱり嬉しいぞ。
ハイペリオン」の"領事の物語"が逆パターンだったが、別にピチピチ若い相手が
いいんだろ、ということではなくて(そういう要素もおおいにあることは否定しない)
相手に先立たれたくない、というワガママは割とみんな持ってるような気がするんだがな。
でも、相手方が被保護者としての色合いが強いケースだと、残して死ねないって気に
なっちまうもんかもな。