「Heaven`s gate」

 
前回、過去のシーンギルガメッシュの遺体から神の遺伝子を採取して…といった話が
出ていたが、研究の目的はそこから永遠の命を得るというのが第一義であったようだ。
結城老がスポンサーってのも得心というか、金持ってる老人の行きつくとこはそこかね。
 
XX唯一の生き残りで数年の昏睡から醒めた伯爵夫人は「失われた年月に落とし前をつける」
ことが目的だとはっきり口にする。
また、藤崎たちを拾ったことについて「我が子にめぐり合えたようだった」とも語るが、
しかし藤崎は風子とともに伯爵夫人の元を出て行く。
藤崎は伯爵夫人を崇拝している。それこそ「あなたのためなら死ぬこともできるんじゃないか」
というくらいに崇拝しているが、だからこそ、大事なことは一人で抱えて話してくれない
彼女とは一緒にいられなかった、のだろうか。伯爵夫人にとっての藤崎は擬似家族の一人では
あっても全てを分かち合い預ける相手ではない、ということに他ならないわけで。
やり切れないのは、全てではないが心の一部を預ける程度には彼らはファミリーだったと
いうことだ。オルガの3人にとっては、伯爵夫人は悲惨な境遇から彼らを救い上げてくれた
存在でもあるわけだし。
透は、帰ってもお母さんに迷惑がかかるから、と残留するが、豚が代理母と発覚した時の様子も
変だったし、育ての母との関係は通り一編でなさそう。
 
前回に続き過去も語られるが、今回は伯爵夫人視点。中学生の時輝道と初めて出会った伯爵夫人、
紘子だが、紀世子姉ちゃんが言ってたようにこの頃は幸せそうに笑える女の子。
写真撮りながら、「笑顔が一番かわいいね」とさらりと言ってのける輝道は、紘子が言う通り
「すんごく遊んでる」っぽい。まあそういう性格なんだろうけど。
日本人にしては女性の扱いが洗練されとるのう。
時経て、ヘブンズゲイトの研究施設で紘子は輝道と再会するのだが、この時の輝道には
あずさがいるからだろう、何となく距離がある感じ。
(藤崎たちのオリジナルも顔を見せるのだが、風子オリジナルが鼻をグズつかせてるのが芸コマ。
体質なんだな。)
ところが集合写真を撮ることになって側に並んだ時、囁く輝道。
「笑顔が一番かわいいね。」
これじゃ、紘子のほうは思い切ることなんてできんわなあ。
空港で円ファミリーと出会った時、あずさと笑いを交わして一瞬心が通い合うも、
直後輝道とあずさの語らいを見て切なそうな表情を見せてるし…こりゃ輝道のほうが罪作りだ。
ただ、この頃の輝道は既に心中何か期するものがあったようで、腹の読めないところがあり、
間もなく彼の予見した通りの危険性がデルフィスにあったと認められ、そして事態はXXへと進んで行く。
"陽子崩壊""物質の全てが老衰"というセリフからして、こうした危機を避けるために行動を起こしたか
とも思えるけど、もう一段深い目的かもしれない。
 
藤崎と風子に去られ、夜酒しながら一人ピアノを弾く伯爵夫人。
そこへやってきて、彼女にキスをする竜也。そして彼が口にした言葉は
「笑顔が一番かわいいね」
竜也?はすぐに姿を消してしまうが、執事さん曰く竜也は依然紀世子の遺体とともに
篭城中とのことで、どうやら夫人にキスしたのはエンキドゥ=輝道だったようだ。
幻覚、でなければこれもまたクローンだろうか。
何のために姿を現して来たのかわからないが、翻弄されてる伯爵夫人についつい同情してしまうな。