「sacrifice」

 
うちアホやから…の麗子再登場。結城老にオルガ注入。
鼻血出してるし、おじいちゃん羨ましいとか思ってたら亡くなってしまったよオイ。
キレた風祭に責められてもやっぱり「うちアホやから…」。
この娘を責めてもしゃあないわな。
 
紀世子姉ちゃんのほうはえらいことになっていて、胎児と融合が始まったとかで
遺体がゲル状の液体に覆われている。なんかサナギの中身を見せられてるような
感じだ。
どうしたらいいのかと嘆く竜也を突き放す伯爵夫人だが、一瞬遣る瀬無さそうな
表情も見せる。
 
そんな状態のホテルプロヴィデンスにひょっこり姿を現す麗子。
対面して事情を聞く伯爵夫人だが、何分アホの子なのではかどらない。
だが、麗子が邪気の無い声で淡々語ってみせる過去は相当えぐい。
 
風祭が拾って結城の屋敷に連れていき、それで結城家の養女になるわけだが、
結城老が失明しそうになった時、彼女はデュナミスのおかげで自分は目が
見えなくてもあまり困らないし、おじいちゃんのこと好きだからと
移植用に自分の目を提供するのだ。これだけなら美談だが、
(とは言え、「肩揉んであげた」というのと同じくらいのテンションで語る
麗子を見ているとどうにもいたたまれない)
風祭が麗子を見つけてきた目的の内に、目のことは端から含まれていたっぽい。
屋敷の池で飼われてたサンショウウオは、食ったら目が良くなるという俗信からで、
サンショウウオとか麗子が前髪で目隠してたのとか、そんなとこまで伏線だったとは。
こうして見るとザクロも意味深だな。
 
また、有能な執事さんの調査で、風祭の過去も明らかに。
結城老の血縁、妾腹の子ということで、風祭自身がオルガとかそういうことでは
ないようだ。伯爵夫人が「クローンだと思ってたけど」みたいなこと言ってたが、
そう疑ってた視聴者って結構いるよな。
結城家に引き取られてからは自力でのしあがったということだが、そこには
父に対する屈折した気持ちがあるのだろう。ギルガメッシュやオルガに
関わってみせるのも、一つにはそれが父の関わったものだからなんだろうな。
屋敷ごと老の遺体を焼き払ってみせたのも、そうした胸の内をうかがわせる。
その罪を麗子に着せてたが、風祭が麗子のことどう思ってんのかは今一つよくわからない。
じいさんのほうは、デュナミス注入で死んでしまったが、ある程度そうなるのも
承知の上でやらせてたようにも思えるで、そうだとすると養女として情をかけていたのか、
という気もするのだが。
 
麗子は、サナギ化した紀世子姉ちゃんの声が聞こえるらしく、通訳して見せる。
「竜也も、いつも一緒やもの…」って京言葉になっちゃってるのはご愛嬌だが、
思わず涙を流す竜也。姉ちゃんの人格までもお腹の子と融合することになるのか。
透は麗子のお守り役をすることになった格好だが、割と似合いのポジションかもな。
 
そして今回一番の驚きはブラッタリア。風祭の言うがまま屋敷にガソリンまいたり
池を埋めたてたりといった作業をしてる姿が変に可愛らしかったが、仮面を外した
彼らの顔は、みんな同じ、しかもまだ幼さを残した少年?のもの。
これまで全く無機的な印象だった彼らが、風祭を無邪気に慕ってみせる姿には
意表を突かれた。
軍事用に遺伝子をいじられた個体、しかもオルガと違いこちらはブタでなく
羊が代理母ということだが、彼らを掌握、扇動してエンキドゥに戦いを
挑もうとする風祭。
行くとこまで行かないとこいつは妄執から解き放たれることはないんだろうな。